20代エンジニアがすべき3つのこと

中小企業診断士・ITストラテジストの富田です。私は受託開発ソフトウェア業の中小企業にて16年ほどエンジニアを経験した後に独立し、現在は自身のIT経営コンサルティング会社の他、データ分析コンサルティング、芸能プロダクション、飲食業と計4社を経営しております。そんな私がこれまでの経験を振り返り、私が20代エンジニアだった頃にやっていてよかったこと、逆に20代エンジニアだった頃にやっておけばよかったこと、を整理してみました。これからエンジニアを目指す学生や、IT企業にエンジニアとして就職したばかりの新入社員の方の参考になれば幸いです。

1.とにかくひたすら勉強する

まずは「とにかくひたすら勉強する」ことをオススメします。社会に出たばかりの20代は、いろいろと知らないことばかりだと思います。たとえ学生時代にプログラミングを勉強していたとしても、大学の授業で行うプログラミングと、仕事で行うプログラミングは、別物であると考えた方がよいでしょう。つまりは知識ゼロからのスタートです。その状態で与えられた業務をこなせるようになるためには、業務に必要な技術を「とにかくひたすら勉強する」必要があります。一般的に一人前のエンジニアになるには3~5年は必要と言われていますが、「とにかくひたすら勉強する」ことで、その時間を短縮することが可能となります。短縮できれば、すぐに業務の幅が広がります。

そして、業務に必要な技術を勉強するのはもちろんのこと、業務外の技術も「とにかくひたすら勉強する」ことが重要です。業務に必要な技術はやらざるを得なくて勉強すると思いますが、そのうえで、業務外のことも勉強しましょう。目の前の仕事をこなすことで精一杯で、そんな時間は取れないという方も多いと思います。それでも、勉強するのです。業務外の技術を「とにかくひたすら勉強する」することで、知識の幅が大きく広がります。知識の幅が広がると、任せてもらえる業務の幅も広がります。業務の幅が広がると、それが新たな経験となり、自身の成長につながります。そもそもIT業界は技術の進歩が早いので、常に勉強しなければ時代に乗り遅れてしまうでしょう。

私は、理系の大学出身だったものの物理学が専門で、学生時代にほとんどプログラミングの勉強をしていませんでした。(プログラミングの授業はあったものの、まじめに取り組んでませんでした。。。)そのため、新人研修では、情報学科出身の同期に負けないように、必死でプログラミングを勉強しました。配属された後は、業務に必要なプログラミングの技術に加えて、データベースについても積極的に学びました。具体的には、Certified Java ProgrammerやORACLE MASTER Platinumなどのベンダー資格を積極的に取得しました。結果として、20代のうちから、データベース設計やアーキテクチャ設計などより上流の工程や、データベースコンサルティングの仕事を任せてもらえるようになりました。

20代に「とにかくひたすら勉強する」ことで、しっかりとした知識が身につき、業務の幅が広がります。

2.誰にも負けない強みを作る

そして、誰にも負けない強みを作ってください。強みは「見つける」ものではなく「作る」ものです。「とにかくひたすら勉強する」ことで、自身の強みを作り出すことができます。単一の強みだけでは他に勝てないとしても、複数の強みを組み合わせることで誰にも負けない強みとすることができます。「誰にも負けない強みを作る」ことができると、それがあなた自身の価値になります。社内においてはそれが直接の評価につながり、社外においてはそれが仕事の受注につながります。仕事の受注につながるということは、結果として自身の評価につながります。これらは収入だけでなく、大きな自信につながるでしょう。

自信をもって生きることができれば、人生はとても楽しいものになります。会社に頼ることなく自身の力で生きていけるようになり、人生を自分で選択できるようになるのです。私はプログラミングとデータベースを「とにかくひたすら勉強する」ことで、「データベースに強いJavaプログラマー」となりました。プログラマーとデータベースエンジニアが別の職種となっている会社もある中で、私はどちらの業務も高いレベルでこなすことができたと自負しています。「データベースに強いJavaプログラマー」は誰にも負けない強みとなり、さまざまな仕事につながり、そして大きな自信につながりました。

20代に「誰にも負けない強みを作る」ことで、どこでも生きていける自信を持つことができます。

3.さまざまな人と交流する

さらに、社内外含めて、「さまざまな人と交流する」とよいでしょう。社内の「さまざまな人と交流する」ことで、業務に必要なこと、社会人として必要なこと、を学ぶことができます。社外の「さまざまな人と交流する」ことで、社内では得られない知識を得ることができ、たくさんの刺激を得ることができます。「さまざまな人と交流する」ことが人脈形成につながります。人脈はかけた時間に比例して指数的に広がるので、人脈づくりを始めるのは、若ければ若いほどよいと思います。

社外の「さまざまな人と交流する」には、勉強会やセミナーなど、人が集まるところに積極的に出ていくことをオススメします。特に懇親会がセットになっている勉強会やセミナーがよいでしょう。勉強会やセミナーでは、同じテーマに興味のある人が集まっているため、話が合います。また、経営者や意識の高い人が多いので、とても刺激になる話を生で聞くことができます。エンジニアはPCと会話するのは得意ですが、人と会話するのが苦手な方が多いです。「さまざまな人と交流する」ことはコミュニケーション力の向上にもつながります。

「さまざまな人と交流する」ことで築いた人脈は、その後の人生の財産となります。人は一人では生きていけません。何をやるにも人脈が必要です。特に新しいことを始めようとした場合には、人脈がなければ何もできません。しかも、人脈はすぐには作ることができないのです。そのためにも、20代から「さまざまな人と交流する」ことが重要となるのです。

私が会社員として働いていたころは、社外に人脈を広げる必要性を全く感じておらず、社外の人と交流する機会を一切持とうとしてませんでした。しかし、経営コンサルティングを仕事にしようと思ったときにはじめて人脈の必要性を感じ、積極的に社外の人と交流するようになりました。38歳のころだったかと思います。そこから、会社を辞めて独立するまでの2年間で、約2000人超の方々と名刺交換をしました。私自身、初対面の人と会話することがとても苦手だったのですが、「さまざまな人と交流する」ことを続けるにしたがって、ある場所で出会った人が別の場所で出会った人とつながっていたり、出会った人が別な知り合いを紹介してくれたりなど、人のつながりが連鎖するようになり、つながりが指数的に増えるようになりました。やがて、人との交流が楽しくなりました。こうして築いた人脈が、現在のビジネスにとても活きています。今思うと、こうした人脈づくりを20代のころから行っていれば、私の人生はもっと違ったものになったかもしれません。まずは300人とつながることを目標に行動してみてください。きっと自身に変化が起きます。

20代に「さまざまな人と交流する」ことで、その後の人生の財産となる人脈を築くことができます。

最後に

いかがでしたでしょうか?これらのことを20代にやっておけば、きっとその後の人生は変わると思います。私が座右の銘とする言葉は「為せば成る」です。全文は「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」です。意訳すると、「何でもやればできる、やらなければできない。できないのはやろうとしないからだ。」ということかと思います。私はこれを「何事もチャレンジ。まずはやってみる。やらないともったいない。」と受け取ってます。一度しかない人生を思いっきり楽しむために、とにかくいろんなことにチャレンジしてます。結果として、会社を4つも作ってしまいました。40過ぎの私は人生の折り返し地点を超えてしまいましたが、20代のみなさんは人生に残された時間もまだまだ長いです。ぜひ、いろいろなことに積極的にチャレンジしてみてください。

次回は「30代エンジニアがやるべき3つのこと」について整理してみます。

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